2024年4月17日水曜日

入院調整遅れてます

 

済みません。随分と前回から間が空いてしまいましたが、ここしばらくあまりに忙しすぎて、全く時間の余力がなく、7月以降の入院調整にまだ手が付けられていません。業を煮やしてご連絡をくださる方も多いのですが、これから随時ご連絡を入れていきますので、メールチェックの方お願いします。札幌中央病院の方も同じくで、麻酔科の先生が今一人しかおらず、手術日程が限られている状況が続いており、なかなか思ったように手術が組めない状況ですが、こちらもこれから進めていきます。

基本的にやるべき仕事の量が減るわけはないので、働き方改革したら、その分どこかの誰かにしわ寄せが行くだけですし、私の場合一人でやるしかない作業なので、働かないふりして働く以外に手はないのではと思います。ちなみに私は昨日処置の対応、受診日程の調整、診断書や診療情報提供書の作成等も含めて、患者からのメール対応だけで、40通位送ったと思います。これだけで何時間もかかるので、なかなかその先に進める余力が・・・

2024年1月9日火曜日

弘前大学外来のお知らせ

 

本年3/22(金)14:00から行います。

弘前大でこれまで私が診察したことのある再診の方のみになります。

ご希望の方は弘前大学形成外科外来に電話予約をお願いいたします。

2024年1月4日木曜日

明けましておめでとうございます

 

元旦から能登の地震速報が流れ、2日には航空機炎上のニュースと、新年早々から大変な幕開けとなりました。被害にあわれた方々には心よりお見舞い申し上げます。

ちなみに昨年の地震の際にも心配はしていたのですが、輪島塗の学校に行っている耳っ子は大丈夫でしょうか?・・・今回はお正月なので実家に帰っていたこととは思うのですが。私のルーツでもある能登半島の四柳神社が壊れずにいるだろうかも少々心配しております。

 

さて、年賀状を送ってくれた皆様には私からも新年のご挨拶を!

あまり私からニュースになるようなものがないので、クリスマス会の罰ゲーム用の被り物を試着してみた時の姿で

(試着したかったわけではなく、耳にガーゼが合っても着用できるか確認してみた、ということですので)

               A Happy new year!

 

2023年12月29日金曜日

改めてインフルエンザにご注意を!&今年もお世話になりました

 先日インフルエンザのことをここに書いたばかりですが、また1人インフルエンザで手術延期になった子が出てしまいました。やむを得ないところがあるのは重々承知していますが、やはり手術前は相当に気を遣って対応ください。一旦延期になると次の枠は何か月も先になりますので。

それと、もう一点ご家族にも注意をお願いしたい事項があります。

中央病院の方で起こったことですが、一人の子が手術から1週間も経ってから突然のインフルエンザ発症!当然病院ではインフルエンザ等にはかなり気を配っていますし、他に入院の人でインフルエンザの方もいないので、どこからもらったかというと・・・お見舞いのお父さんからでした。面会時間等何度も看護師サイドから注意があったそうなのですが、あまり守ってくれず。結局プチ手術は延期で入院も1週間以上長引くことになりました。お子さんの近くにいたい、面倒を見たい、という気持ちは勿論わかりますが、それがマイナスになることもある、ということも認識いただかないといけません。病院側はこういう事態を懸念して面会時間等決めているということをご理解ください。大学でも病室入室の制限を無視して出入りする(または、病院の別の場所で一緒にいたりする)ご両親がいるのですが、万が一同様の事態があると、自分の子供だけでなく他のお子さん、または同病棟の高齢の患者等にも大きな被害をもたらす可能性がある、ということを考えて行動ください。症状がなくとも感染源となっている可能性もあるのですから。コロナもまた増えて来てますよ。 

さて、病院は昨日が仕事納めの日となりました。と言っても今日以降も手術と外来がないだけで、日常業務は続きますが・・・。今年は大学と中央病院を合わせ、小耳症手術199(小手術等合わせると298)!病院改築に伴い減らされているベッド数の中で、良くこれだけクリアできたなと思います。

連日の4時間程度かかる軟骨移植と、2時間半くらいの耳介挙上術、通常の外来、水曜午後に1時間程度かけて行う新患診察が今年は174人、入院調整、日々の処置、学生講義、学会発表や講演、論文や教科書執筆、学会の委員会や教授職の仕事、人工耳介の研究・・・時間がいくらあっても足りません。本年も何とか職務を全うでき、ほっとしていますが、さすがにちょっとグロッキーになってます。まあこの頑丈な体を生んでくれた両親に感謝しないと、ですね。不備不満等も多々あったことと思いますが、精一杯やっておりますので、ご理解のほどお願いします。

では良いお年を!

2023年12月27日水曜日

クリスマス会

 

この何年か、クリスマス時期に入院している子たちにも、ベッドサイドにプレゼントを配りに行くくらいしかしていなかったので、あまり大掛かりにならない程度で何かイベントをしようと思い、22日にゲーム会をしました。日頃私も時間に追われ、あまりそういうことをする余裕がなかったですしね。今は入院期間を短縮して通院対応にしていること、また高校生は恥ずかしくて参加NG、地方局のSTVのカメラが入ったので、撮影に写りこむのはNG、などの子がおり、参加人数は少なめです。ただ前日軟骨移植の手術だった子も気合いで参加してくれました。なお、サンタ服老朽化につき、今年のサンタは不在となりました。

今回入院中の子は大騒ぎするタイプの子がおらず、カメラの前で少々子供たちも緊張していたこともあり、比較的静かではあったのですが、やはり時折うるさかったかもしれません。あとで苦情が来ないといいのですが・・・

勝ってもご褒美はなく、負けたら罰ゲームしかない!というゲーム会でしたが、それなりには喜んでもらえたかなと思います。本当は当科の医師の中に1人かなりの腕前のマジシャンがいて、自分の出番だとばかりに準備をしていたようなのですが、なんと風邪でリタイアということで、そちらの企画はあっさりとお流れになりました。

以前のように全開でクリスマス、とまでは行かないまでも、やれる範囲で少しずつ解禁にしていきたいなと思っています。

2023年12月22日金曜日

日本耳介再建学会報告

 

先月行った日本耳介再建学会の報告です。この前に報告した日本耳科学会は耳鼻科の学会で、この学会は私が毎年主催している形成外科医の学会です。今年は11/24,25に行ないました。学会HPに実際の内容の詳細が記載されていますので、そちらを見た方がよりわかるかとは思いますが。

 

初日はライブサージャリーで、小耳症の中では最も難しいタイプの一つの生え際の低い小耳症の手術を行いました。しかし、そもそも小耳症手術自体数多くやっている先生は少ないので、このタイプとなるとますます経験も少なく、見ても大変そうだなあ・・・というところで終わってしまったかもしれません。ちなみに耳会と言えばすっかり雪が恒例となってしまっているのですが、前日までは非常に穏やかないい気候だったのに、今年は初日ライブサージャリーを終えて会場に向かおうとしたらわさわさと雪が降っており、皆さん頭に雪帽子をかぶっての移動となってしまいました。幸い皆さん次の日も元気にお越しになったので(飲み過ぎで体調不良だった先生に関しては大目に見てあげるとして)良かったのですが。

 翌日の症例検討会も結構難しい症例の相談が多く、ちょっとコアな内容だったかもしれません。ただ、人参を使って肋軟骨フレームを作製する練習に関しては、年々レベルが上がってきていまして、耳のプロポーションも立体感も、かなり皆さんイメージが掴めているような印象でした。本会を継続して行ってきた甲斐があったと実感します。勿論軟骨と人参は違うのですが、小耳症の手術の中で特に難しいところが2点あり、一つは皮膚の剥離や利用の仕方、もう一つが肋軟骨フレームの作製です。後者において大事なのはいかにこのプロポーションと立体感のイメージを身に着けられるかどうかなのです。

先日紹介したように、ウクライナのオレクと台湾もアンリも駆けつけてくれて、なかなか国際色豊かな学会となりました。恒例のメンバーに加え、新しい参加者も増えたので、お互いにコミュニケーションをとるのにちょうど良い規模かなと思っています。学会代行会社等に依頼していない手作りの学会なので、あまり参加者が増えると厳しいんですよね。

 また来年も色々知恵を絞って大いに勉強して楽しんでいただけるような会を目指したいと思っております。

 今年の札幌は、一度どかっと降った雪は解けて、今のところ雪は少ないのですが、氷点下の気温が続いており、路面がスケート場のような状態になっています。札幌にお越しの方はしっかりした冬靴にして、歩く際も十分に注意をお願いします。こういう道路の歩き方にはこつがあるのですが、それでも傾斜が付いたところなどはいかんともしがたいことがあり、私も一冬に1,2度は転倒します。

2023年12月10日日曜日

日本耳科学会報告

 先月の話になりますが、高崎で行われた日本耳科学会という、耳鼻科医の学会のシンポジウムに呼んでいただき、発表してきました。タイトルは“先天性外耳道閉鎖症・小耳症に対する治療戦略について”というもので、勿論私以外は全員耳鼻科医師ですが、司会は国際医療福祉大 岩崎教授、札幌医科大 高野教授が担当されました。

演者とタイトルは

・山形大 伊藤先生:外耳奇形・中耳奇形に対する耳鼻咽喉科・形成外科合同手術

・慶応義塾大 西山先生:小耳症への非侵襲的かつ審美的同時改善の試み

・国際医療福祉大 高橋先生:人工聴覚

・私:小耳症に対する聴覚補助機器の使用を考慮した耳介再建 -形成外科医の立場からー

というものでした。学会前にすでにWeb会議でディスカッションをしたのですが、私としては日ごろ耳鼻科医に対し思っていることを、普段お話しする機会のない方々にぶつけることができる良い機会になったと思っております。やはり直接の意見交換は貴重なものであったと感じました。

例えば西山先生から、形成外科では良い耳介が形成できていないので、義耳と軟骨伝導補聴器を組み合わせた治療を推進している、という趣旨の発表がありました。義耳に補聴器を付けても音が伝わらないため工夫が必要になるということも、言われてみると確かにそうだ、ということも理解しました。しかし、私の立場からは真っ向反対の意見であり、現在耳介再建は、技術のある医師が行うと、普通の耳と見分けがつかない耳が形成できることを認識していただかないといけません。種々の討論により、耳介の形成時に影響のない(皮膚炎等生じた場合にはすぐ中止するなど)使い方を検討する旨の意見をいただき、また私の方でも耳介を形成するまでの幼少期の期間に行なう手段の一つとしてはありだと認識しました。ただ、私は過去に、教室の他の生徒の前で義耳が取れてしまい、その後不登校になってしまった子(その子はその後耳介形成を行い、高校からは普通に学校生活を送り、優秀な大学に進みました)なども知っていますので、やはり使用には慎重であるべきと思っています。

また、伊藤先生は、耳介挙上時に外耳道形成を行うという発表でした。これは独協医大が行ってきた術式ですが、山形大の形成外科が独協から派遣されてできた経緯から試みたとのことです。常日頃私は外耳道形成は効果がほとんどなく合併症も多いのでお勧めしないと言っておりますので、これに関しても真っ向反対の意見なのですが、一方で、もし耳鼻科医が誰も外耳道形成を行わなくなったら、今後発展する可能性も消える、ということになります。そもそも過去には外耳道形成は全国で行われてきたものの、効果が薄いため多くの耳鼻科医はやめてしまったという経緯ですので、お勧めしないという考え方は変わらないのですが、患者を期待させるような説明ではなく、正確に現状を伝えた上で、それでも希望する、という方に対しては、一つの手段として残っていただくのもありかなと。外耳道形成における問題点もはっきりしていますので、問題点を解消する術式を是非発明いただければと思います。

高橋先生の人工中耳に関しては、すでに私と連携を取って行っていただいていますので、適切な皮膚切開を行っていただく分には問題ありません。他施設でも是非耳介形成の影響のないよう皮膚切開を行っていただけるような啓蒙の機会となればと思います。

私からは、形成外科医も人工中耳や軟骨伝導補聴器など、聴覚補助機器を考慮した耳介の形成が今後は求められるという趣旨での発表を行いましたが、一番の目的は、形成外科医は、見てもわからない耳介を形成できるようになっていることを体感していただくのが主たる目的でしたので、耳鼻科医の印象に多少なりと残っていただければと期待しております。

残念ながら学会写真は掲載NGのようなので、文字だけのご報告となりますがご容赦ください。高崎は、始めて行ったのですが、発表だけしてとんぼ返りだったので、殆ど街の様子がわかりません。お土産屋はひたすら達磨押しで、教室員にお土産を買うのに悩んでしまいました・・・